しーもんのふぇてぃっしゅなはなし4:宇宙の縄<後>

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[4]宇宙の縄。<後編>

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[4]宇宙の縄。<後編>

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気付いたら、ボキゎされるがままに
麻縄で縛られてぃた。

 

松木というオジーチャンゎボキに

「痛くないか?」

「ん?」

「どぅかな?」

確認するように、指南するように、

様子を見ながら手際よく縛っていく。

 

そんな中で、ボキゎ自分の中の恍惚と戦っていた。

 

縛ったり、縛られたりに性的興奮を感じないボキだったけど

麻縄で露わになってムチムチした胸の谷間の盛り上がりとラテックスの下の乳首が勃ってるのが自分でワカってしまった。

 

更にスカートなんて意味がない、
と言われているように大胆に捲りあげられて、

ちぃさな隙間に縄をあてがわれた挙句に

ソレを食い込まされたら

 

…どうしたって、

羞恥に似た興奮を覚えずにはいられなかった。

 

縛られていない現実の自分と、

縛られている現実の自分が

合わせ鏡の要領で対峙している。

 

見ず知らずの他人(ヒト)に、

いきなり縄で縛られて、

いやらしいことをされている、

其んな、ぁたし。

 

もし常識というものが世の中に存在するのならば、
コンなコトを平気で許してしまう
私自身がオカシくなったのかもしれなかった。

 

普通なら、愛し合う人や分かり合える、
ソンな特別な人としか共有できないはずの関係を

意図しなかった部分から導入されて、
いきなり構築できてしまう精神性が理解出来ないはずだった。

 

そんな精神を受け入れてしまっている自分に驚くと同時に、

不思議なくらい、泣けてしまうほど、気持ちがよくて、

 

それが  とても  困った。

 

新しくて、儚くて、昇りつめてはフェイドアウトするのに
細く、長く、長く、時に昂ぶるこの気持ち。

どうしたらいいのか、本当にわからない。

 

オジーチャンのサングラスの中の暗がりを、ずっとずっと探すばかり。

縛られて身動きが出来ないケド、

ボキの目は、せわしなく
見えない彼の目の中を探し回っていた。

 

ようやく見つけた彼は笑っていた、

というより、

優しく微笑んでいた。

 

大きくて温かい光の中に吸い込まれて抱かれる感じがして、

呑み込まれると同時に、ナニかが吹きこぼれた。

 

瞬間に、それは宇宙を見た。

私は抗わず、

目を瞑ってソレに委ね、

同時にソレを受け入れた。

 

「女王様が縛られるなんて…笑…ァンタ、ほんっと、ドMなんだからッ!」
「どしたの、目がとろっとろぢゃなぃ、ホラ、いつもの眼力、どこいっちゃったのよ?」
「よかったゎね、松木サンに縛って頂けるなんて、ァナタ、幸せモノょ☆」
「うらやましぃです~」

女王様や他のオンナノコの声で気付くと、
縛られたボキを大勢のお客様ゃオンナノコが写真を写してぃた。

 

デジカメで撮られた写真の中の女は、

明らかに”知らない女”だった。

 

誘っているような、欲しがっているような、

意志があるのか、意思がないのか

空を見たか、虚を見たか

でも、その目の中に、必死でなにかを探している

ソンな目つきをした女が、縛られていたんだから。

 

一仕事終えた風情の彼は、ソファに腰をおろし、
ゆっくりとタバコをくゆらせていた。

 

亀甲縛りにサレたボキは、ゴロンと彼の横に女王様に転がされた。

彼に膝枕されるカタチになったボキは髪の毛を撫でられて
猫のように丸くなり、顔を埋めて甘えた。

 

でもその瞬間だって、暗闇を探した。

暫くそのままでいたかったけど、
みんなの手前、我に返らざる負えなかった。

 

「どうだった?」

縄を解きながら、優しく微笑んで尋ねる彼に、

ボキは呆然と

「すごかった、、、デス…」

としか答えられなかった。

 

一般的な答えでしか、その場を取り繕えなかった。

 

ソレを聴いたみんなは、やっぱりね、といったカンジでボキの写真を見たり
縛ったばかりの縄を手に持ったり、自分の縄ぇの世界観など、
思い思いに話し始める。

 

笑い声が起こったと思えば、静かに話し出すヒトがいて、
女王様がMな男性客の膝の上に座ったかと思えば、あっちでは鞭の音。

 

いつものバー。

いつもの雰囲気。いつものみんな。

いつもの女王様に、いつものわたし。

 

ボキも自分を取り戻した。

 

彼の横にきちんと座りなおしたボキは

耳元に唇を近づけて、

彼にしか聞こえない声で、囁いた。

 

 

「 宇宙を 、  ありがとう  」

 

暗い宇宙のサングラスの奥の光が、

一瞬輝いたのを見た。

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